ご挨拶

 当部門は、2002年4月1日に学内措置として設置された「地域包括医療高度化推進センター」内に地域包括医療教育部門として活動を開始し、翌2003年4月1日に医学部附属の省令施設として認可された「地域医療科学教育研究センター」の一部門として正式に発足しました。
 当初選任教員は教授1名のみでしたが、2006年より准教授との二名体制となり、学内の兼担教員、学外の研究員の協力を得て、医学部教育のプログラム評価・開発、運営を幅広く担ってきました。2017年には教授・准教授・講師の三名体制となり、2019年1月1日より医学教育開発部門へと改称して現在に至ります。
 当部門の主業務は、本学が目指す地域医療を志向し、強い倫理観と優れた臨床能力を有する医師を養成するための医学教育改革を先導することです。
かつて日本の医学教育は、卒業後の医師国家試験という共通したハードルはあるものの、医学部教育も卒後研修も、大学によって様々であり、必ずしも一貫した方針によってカリキュラム設計が行われていたわけではありませんでした。2001年に発表された「医学教育モデル・コア・カリキュラム」は、医学部教育の内容を精選するとともに、効果的な教育・評価の方法を示す全国的なガイドラインとして改定を重ねてきました。2004年には卒後の臨床研修が必修化され、2005年には医学部での診療実習の参加資格である共用試験(筆記試験と実技試験)が導入されるなど、医師の実践的能力の質保証のための教育の標準化が図られました。
 2010年代後半には、世界標準の医学教育に適応するための、国際標準に基づく医学教育の分野別認証評価が日本でも開始されました。これは卒業時に修得しておくべき能力を明示し、そこに到達できる教育課程と到達度を客観的に測定できる評価を含んだ教育設計が求められています。また様々な指標を用いて教育そのものの評価・改善を継続的に行ってゆくシステムの構築も重要課題です。
 当部門は、これらの激動ともいうべき医学教育改革の司令塔として機能しつつ、具体的な教育方略・教材の開発(例えば問題基盤型学習、チーム基盤型学習などの能動的学修、実技訓練のためのスキルラボ運営、模擬患者の養成、臨床技能に関する実技試験の運営・開発、診療参加型実習のプログラム開発等)、国際交流等においても主導的役割を果たしています。そして今後は、教育プログラム開発や運営システムの構築・改善により軸足を置く立場を明確にすべきという判断から、医学教育開発部門と改称しました。
今後とも皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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