ご挨拶

 当部門は、2002年4月1日に学内措置として設置された「地域包括医療高度化推進センター」内に地域包括医療教育部門として活動を開始し、翌2003年4月1日に医学部附属の省令施設として認可された「地域医療科学教育研究センター」の一部門として正式に発足しました。2019年1月1日より医学教育開発部門へと改称して現在に至ります。
 当初専任教員は教授一名のみでしたが、2006年に准教授との二名体制となり、学内の兼担教員、学外の研究員の協力を得て、医学部教育のプログラム評価・開発、運営を幅広く担ってきました。以後業務拡大に伴い少しずつ専任教員が増え2024年9月現在、教授1名、准教授3名、助教2名となりました(特任含む)。
 医学教育に求められるものは、時代とともに激しく変化します。2000年を境に本格化した医学教育改革においては、標準的で安全な医療の提供のために、「医学教育モデル・コア・カリキュラム」や国際標準(世界医学教育連盟)に基づく教育を整備してきました。卒後の臨床研修や専門研修も標準化が果たされた頃、世界はCOVID-19パンデミックに見舞われました。ここでの反省をもとに、医学教育は感染症対応能力だけでなく、対象や問題を問わず幅広く対応ができる総合的診療能力、地域のリソースを最大限に活用して問題解決ができる地域連携能力の養成を目指すことになりました。さらに2020年代になると、日本の医学部の研究能力・国際競争力の低下が大きく問題となりましたし、「医師の働き方改革」によって臨床系教員の教育エフォートの減少が余儀なくされる状況の中での、医学部教育の質の向上、臨床研修・専門研修との一元化、研究能力の養成を果たしていかなければならない難しい状況となっています。
当部門は、佐賀大学が採択された文部科学省「感染症医療人材養成事業」(2021年度)、「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」(2022〜28年度)に続き、「高度医療人材養成拠点形成事業」(2024〜2029年度)を牽引し、上記課題に取り組んでいます。これら外部資金を活用し、臨床実習コーディネーター(臨床教育専任教員)やスキルトレーナー(臨床技能教育看護師)、医療面接模擬患者グループなどの教育体制を整えています。また佐賀県の医療機関全体を医療者教育共同体とする「Learning Society @Saga」構想のもと、地域医療機関との教育連携を深めています。
 佐賀県の地域医療の向上及び将来にわたる安定を目指し、引き続き医学教育改革の司令塔としての役割を果たしてまいります。今後とも皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

医学教育開発部門長 小田康友

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